【調達組織風土改革】ミスを隠さないチームへ!現場に「心理的安全性」が必要な3つの理由と高める4つの因子
「心理的安全性」とは?
ご存じの方が多いと思いますが、改めて「心理的安全性」について確認しておきましょう。
心理的安全性(Psychological Safety)とは、組織行動学を研究するハーバード大学のエイミー・C・エドモンドソン教授が提唱した概念です。
つまり、調達部門の職場に置き換えますと、「こんな相談をしたら無能だと思われるかも」という不安がなく、素直に声を上げられる状態を指します。
心理的安全性について理解していただいた上で、調達部門に心理的安全性が必要な3つの理由について確認していきましょう。
1つ目の理由は、リスクの早期発見と回避です。
調達業務において、仕入先の納期遅延などのトラブルはゼロにはできません。心理的安全性が高い調達チームでは、調達部員が「怒られる」と怯えることなく、問題の兆しを即座に共有できます。結果として、調達マネジャーが早い段階でリカバーの指示を出せるため、工場ラインストップなどの致命的なリスクを未然に防ぐことができます。
理由② 調達チーム内での「知恵の共有」による相乗効果
2つ目の理由は、調達チーム内での「知恵の共有」による相乗効果です。
昨今の激しい市況変化に対し、調達部員個人だけの知識や経験で対応するには限界があります。心理的安全性が担保されていると、若手調達部員の素朴な疑問や、関係部署を経験した調達部員の新しい視点が気兼ねなく出されるようになります。多様な意見が混ざり合うことで、一人では思いつかなかった最適な交渉戦略やコストダウン案が生まれます。
3つ目は、増員部員増員期における部内教育の加速です。
組織が拡大し、新しい調達部員が増える時期こそ心理的安全性が重要です。新人調達部員が「こんな初歩的なことを聞いてもいいのか」と躊躇せず、「分からない」を言える環境があれば、教育の停滞がなくなります。不明点がその場で解消されるため、独り立ちまでのスピードが劇的に早まります。
調達部門に心理的安全性が必要な理由を理解していただけましたら、次は心理的安全性の高め方について確認していきましょう。ここでは、心理的安全性を高める4つの因子についてお伝えします。
1つ目は、「話しやすさ」です。
調達部員にとって調達マネジャーが「いつでも話しやすい存在」であることが心理的安全性を高めます。トラブルが起きた際、調達部員が調達マネジャーの顔色をうかがってタイミングを計るのではなく、「今、1分いいですか?」と即座に声をかけられる空気感が、情報の鮮度を保ちます。
2つ目は、「助け合い」です。
調達部員一人のトラブルを「担当者の責任」にせず、調達チーム全員でカバーし合う組織風土です。納期交渉が難航している調達部員に対し、周りが「一緒に代替案を考えよう」「自分の担当先なら協力できるかも」と、協働・共創する姿勢がチームの連帯感を強めます。
3つ目は、「挑戦」です。
失敗を責めるのではなく、前向きなチャレンジを肯定する雰囲気です。前例のない仕入先開拓や、厳しい価格交渉に挑む姿勢そのものを評価することで、調達部員は「失敗を恐れず、挑戦しよう」という主体性を持つようになります。
4つ目は、「新奇歓迎」です。
「新奇歓迎」とは、異なる価値観や新しいやり方を積極的に取り入れる考え方です。「昔からこうだった」という固定観念にとらわれず、新人調達部員の柔軟な意見やITツールの活用提案などを面白がる姿勢が、組織に新しい風を吹き込みます。
まとめ
- 心理的安全性は、調達トラブルを最小化するための「最強のインフラ」である。
- 調達部門に心理的安全性が必要な3つの理由(リスク回避・知恵の相乗効果・教育加速)を理解し、組織の武器にする。
- 心理的安全性を高める4つの因子(話しやすさ・助け合い・挑戦・新奇歓迎)を意識して、日々の接し方を変える。
心理的安全性は、決して「仲良しグループ」になることではありません。共通の目的のために、誰もが率直に知恵を出せる「強いチーム」を作るための土台として必要不可欠な要素であることを改めて理解しておきしょう。
「調達部員が顔色をうかがっている気がして本音が見えない」 「心理的安全性を高めたいけれど、自分の調達チームではどう進めればいい?」 そんなお悩みを抱えている調達マネジャーの方へ。
応援のチカラ「【ワークショップ型研修】『組織の空気が変わる』を体験する!調達チーム会議マニュアル実践セッション」では、今回のブログで触れた「心理的安全性」を土台として、具体的な会議の型をどう構築するかということについても詳しく解説しています。
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