【調達人材育成】関係部署からの苦情に慌てないために、調達マネジャーが調達部員に教えるべきクレーム対応の基本(保存版)
- 「関係部署からの苦情に対して、調達部員がどう振る舞えばよいか分からず戸惑っている姿を見て、どのような手順で指導すれば冷静に対応できるようになるのかがわからず、頭を抱えている・・・。」
- 「電話口で怒鳴るような激しい苦情を受け、すっかり萎縮してしまった調達部員を目の当たりにし、これ以上事態が悪化する前に対策を講じたいが、具体的にどのようなルールを作れば調達部員を守れるのかわからずに悩んでいる・・・。」
- 「苦情の対応をすべて調達マネジャーが引き受けてしまえばその場は収まるが、それでは調達部員が自ら解決する力が育たず、いつまでも根本的な解決にならない。どこまでの範囲を調達部員に任せ、どのタイミングから調達マネジャーがフォローに入るべきか、その境界線が引けずに悩んでいる・・・。」
関係部署から苦情を受け、厳しい言葉に調達部員が困り果てている姿を見て、調達マネジャーとしてどのように手を差し伸べるべきか、頭を悩ませている方は多いのではないでしょうか。調達マネジャー自らがすべての矢面に立てば一時的に場は収まりますが、それでは調達部員が自ら困難を乗り越える力を育むことができず、同じような問題が繰り返されてしまいます。
こうした状況を根本から解決するためには、調達マネジャーが調達部員に対して「クレーム対応の基本」を正しく指導することが不可欠です。クレームの本質を理解し、冷静に対処するための手順を調達チーム内で共有することで、調達部員は過度に萎縮することなく、自信を持って関係部署との対話に臨めるようになります。
クレーム対応を行うにあたっての調達部員と調達マネジャーの役割分担についても触れていますので、調達部員の指導に活かしていただけたらと思います。
今回は、【調達人材育成】関係部署からの苦情に慌てないために、調達マネジャーが調達部員に教えるべきクレーム対応の基本(保存版)についてお伝えしますので、ぜひご覧ください。
【調達人材育成】関係部署からの苦情に慌てないために、調達マネジャーが調達部員に教えるべきクレーム対応の基本(保存版)
クレーム対応の基本とは?
まず、調達業務を進める中で避けて通れないクレーム対応の基本について、その本質と分類について説明します。
まず、クレームとは単なる「怒り」ではなく、相手が抱いている「不満足」を回復させたいという思いの表れです。関係部署がなぜ怒っているのか、その原因である「不満足」には以下の7つの要素があります。調達業務における具体例とともに確認してみましょう。
【不満足の7要素と調達業務での具体例】
- 不安:発注が漏れていて、部材が予定通りに届かないのではないか
- 不快:調達部員の言葉遣いや、技術部門の要望を軽視するような態度が気に入らない
- 不信:以前約束した改善策が実行されておらず、調達部門を信頼できない
- 不透明:選定基準が分からず、なぜサプライヤーA社に決まったのか納得がいかない
- 不公平:事業部Aの依頼は優先されているのに、事業部Bは後回しにされていると感じる
- 不備:提出された見積回答書に記載漏れがあり、仕事が二度手間になる
- 不便:調達手続きのルールが複雑すぎて、生産管理部門の負担が大きすぎる
不満足の原因は一人ひとり異なるため、まずは相手の話をしっかりと聴き、どの要素に不満を感じているのかを正確に把握することが、クレーム対応の出発点となります。
原因を把握したら、次は内容と要求の妥当性から、以下の4種類に分けて対応を判断します。
【クレームの4種類と対応方法】

①最後まで誠実な応対(内容「妥当」/要求「可能」)
- 例:調達側の発注ミスで納期が遅れた。
- 対応:言い分は適切。最後まで誠実にお詫びし、迅速にリカバーする。
②受け止めてから間違いを正す(内容「認識・思い違い」/要求「可能」)
- 例:関係部署側の確認漏れなのに「調達から連絡がない」と怒っている。
- 対応:相手の言い分を受け止めた上で、事実誤認を丁寧に正し、要求を取り下げていただく。
③丁寧にお断りした後、代替案の提示(内容「妥当」/要求「無理難題」)
- 例:納期遅延は調達側のミスだが、物理的に不可能な「今日中の納入」を要求される。
- 対応:非は認めて丁寧にお断りし、「明日の朝一番」などの代替案を提示する。
④間違いを正した上で粘り強く代替案を提示(内容「認識・思い違い」/要求「無理難題」)
- 例:関係部署のルール違反を棚に上げ、調達部門に全責任を押し付け、過度な謝罪を求める。
- 対応:間違いを冷静に伝え、代替案を提示しながら粘り強く応対する。
このように、関係部署からの苦情を感情的に捉えるのではなく、「不満足」の中身を分析し、4つのパターンのどこに当てはまるかを冷静に分類することが重要です。この基本の型を身につけることで、慌てることなく適切な一手を打てるようになります。
調達マネジャーが調達部員に伝えておくべき3つのこと
①調達部員と調達マネジャーとの役割分担を伝える
- 一次対応(調達部員):生産管理部門からの「部材が入っていない」という連絡に対し、まずは事実関係を確認し、相手の不満足の原因を聴き取る。
- 二次対応(調達マネジャー):調達部員の手に負えない無理な要求(即日納入の強要など)が続く場合や、部門間の責任問題に発展しそうな場合に、調達マネジャーが前面に出て収束を図る。
このように役割を分けておくことで、調達部員は「最後は調達マネジャーが控えている」という安心感を持って対応に臨めます。
②一次対応で行ってほしいことを伝える
一次対応の目的は、問題を解決すること以上に、相手の「不満足」の原因を正確に把握し、4つの種類に分類することだと伝えます。感情的に反論するのではなく、まずは事実と感情を整理することに集中してもらいます。
【一次対応での具体的な動き:技術部門からの仕様変更トラブル】
- 不満足の把握:技術部門が「調達のせいで試作が遅れる」と怒っている場合、それが「不備(連絡漏れ)」なのか「不透明(手続きの遅さ)」なのかを聴き出す。
- 4種類への分類:言い分が妥当で、調達部員で対応可能な範囲(リカバー策の提示など)であれば、その場で誠実に対応を継続する。
一次対応でしっかりと情報を整理しておくことが、その後の迅速な解決につながります。
③調達マネジャーに二次対応を依頼するタイミングを伝える
【二次対応へ切り替える具体例:解決の糸口が見えない場合】
- 時間の基準:一次対応を始めてから1時間を経過しても、相手の怒りが収まらず、話が平行線のまま進まないとき。
- 内容の基準:相手の要求が「無理難題」であり、調達部員の権限では判断できない代替案(高額な特急費用の負担など)を求められたとき。
まとめ
- クレーム対応の基本とは、「不満足」の原因を7つの要素から正しく把握し、内容と要求の妥当性に基づいて4つの種類に分類して冷静に対処すること。
- 調達マネジャーが調達部員に伝えておくべきこと① 一次対応は調達部員、事態が深刻化した際の二次対応は調達マネジャーが引き継ぐ。
- 調達マネジャーが調達部員に伝えておくべきこと② 一次対応では、まず相手の不満足の原因を聴き取り、4種類のパターンのどこに当てはまるかを分析する。
- 調達マネジャーが調達部員に伝えておくべきこと③ 対応時間が長引いた場合や、調達部員の権限では判断できない無理な要求を受けた場合など、調達マネジャーに二次対応を依頼する具体的なタイミングを決めておく。
まず、調達部員と「一次対応の役割」を再確認することから始めてみませんか?
関係部署からの厳しい苦情に一人で立ち向かうことは、調達部員にとって大きな負担となります。調達マネジャーがすべきことは、すべてを肩代わりすることではなく、調達部員が自信を持って動けるための「型」を授け、背中を支えてあげることです。
まずは、今回お伝えした「不満足の把握」と「4つの分類」を共通言語として、調達部員が一次対応で何をすべきかを話し合ってみてください。「ここまでは自分で判断し、ここからは調達マネジャーに相談する」という明確な役割分担があるだけで、調達部員の心の余裕は驚くほど変わります。
関係部署との間で起こる苦情の一つひとつを、調達部員が成長する糧に変えていけるよう、まずは対話を通じて足元を固めていきましょう。調達マネジャーが方針を示せば、冷静に関係部署と向き合えるようになりますよ。
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苦情対応の役割分担や教え方が大切だと分かっていても、日々の調達業務に追われる中で、一人で教育体系を整えたり育成計画を立てたりするのは、非常に大きなエネルギーを必要とします。「どこから手をつければ調達部員の底上げができるのか」と、一人で抱え込んでいませんか?
応援のチカラでは「調達人材育成コンサルティング」では、今回お伝えした「不満足の分類」や「一次対応の型」を調達チーム内に浸透させるお手伝いをしています。調達実務に合った具体的な対応手順を作成したり、1on1面談を通じて調達チームの一人ひとりが自立して動けるように導くための仕組みづくりについてのご相談をお受けしています。
「自分一人で進めるのは難しい」と感じたときは、ご遠慮なくお声がけください。まずは無料相談で今抱えているお悩みや課題をじっくりとお伺いします。調達部員の成長を支える第一歩を一緒に踏み出してみませんか?
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