【調達人材育成】調達部員の教育体系づくりは何から始める?忙しい調達マネジャーのための3ステップ
- 「日々の調達業務を回すだけで精一杯で、調達部員を育てるための教育体系が全く整っておらず、このままでは調達チームの底上げができないと焦りを感じている・・・。」
- 「特定の調達部員にしか分からない仕事が多く、属人化している。誰かが欠けた時にフォローできる体制がなく、調達マネジャーとして常に不安を抱えている・・・。」
- 「形だけの育成計画はあるものの、実際には機能していない。仕入先とのコスト削減交渉や納期交渉を任せられるレベルまで、どうやって調達部員を引き上げればよいのか出口が見えない・・・。」
「調達部員の教育・育成を進めたいけど、何から手をつければいいのか分からない・・・。」日々の調達業務に追われる中で、こうした焦りを感じている調達マネジャーは少なくありません。
しかも、特定の調達部員にしか分からず、どのように調達業務を進めているかも把握できていない状態に・・・。このままではいけないと不安になりますよね。形だけの育成計画があっても、それが機能していなければ、仕入先とのコスト削減交渉や納期交渉を任せられるレベルまで、調達部員を引き上げることは難しくなります。
こうした状況から抜け出すために必要なのは、調達部員教育を「仕組み」として整えることです。
今回のブログでは、忙しい調達マネジャーでも着手できる、教育体系を整備するための3つのステップをご紹介します。調達部員が着実に育ち、調達チームの底上げにつなげていただければと思います。
今回は、【調達人材育成】調達部員の教育体系づくりは何から始める?忙しい調達マネジャーのための3ステップについてお伝えしますので、ぜひご覧ください。
【調達人材育成】調達部員の教育体系づくりは何から始める?忙しい調達マネジャーのための3ステップ
調達部門における教育体系とは?
調達部員の教育体系づくりの3つのステップについてお伝えする前に、まずは調達部門における「教育体系」について確認していきましょう。
「社員教育なら会社全体で実施しているものがある」と思われるかもしれません。しかし、調達部員が活躍するためには、全社共通の教育だけでは不十分です。会社全体の教育が「社会人としての土台」を作るものであるのに対し、調達部門の教育体系は、より専門的で実戦的な力を養うためのものだからです。
それぞれの違いを具体的に比較してみましょう。
【会社全体の教育体系:具体例】
- 一律の成長指標 役職や年次ごとに求められる一般的な能力(リーダーシップなど)の定義。
- 標準的な育成ステップ 入社年次や昇進のタイミングに合わせた全社共通の研修ロードマップ。
- 汎用的な教育手段 ラーニングや外部講師による、職種を問わない一般的なスキルの習得支援。
【調達部門の教育体系:具体例】
- 目指すべき指標 仕入先との信頼関係を築く力や、最適な取引条件を引き出す力など、専門スキルごとの実践的な習熟度(スキルマップ)の確立。
- 調達部員成長のステップ 誰が・いつまでに・どのカテゴリーやサプライヤーを任せられるようになるかという、時系列の育成計画。
- 具体的な教育手段 1on1面談を通じた個別の行動計画策定や、調達部門の実務に直結した専門的な訓練。
このように、調達部門の教育体系とは、研修メニューの充実だけを指すのではありません。日々の調達業務で成果を出すために必要な能力を「いつ、誰が、どうやって身につけるか」ということを「仕組み」として確立することです。
調達部員の教育体系づくり 3ステップ
ステップ① 目指すべき指標を定め、スキルマップを確立する
- 仕入先との信頼関係を築く力: 適切なコミュニケーションを通じて、長期的な協力体制を構築できる。
- 最適な取引条件を引き出す力: 根拠のあるデータに基づき、価格や支払条件などの折り合いをつけられる。
- 法令遵守と倫理観: 取適法などの関連法規を正しく理解し、適正な調達業務を遂行できる。
このように、ステップ1では「何を、どこまでできるようになるべきか」という共通の尺度を作ることが重要です。
あやふやな基準で指導を進めるのではなく、目指すべき姿をスキルマップとして具体的に示すことで、調達部員の成長に向けた道筋が明確になります。この土台があるからこそ、その後の育成計画が実効性のあるものになります。
ステップ② 調達部員の成長のステップを時系列で明文化し、育成計画を作る
スキルマップで現状の課題が明らかになったら、次は「あるべき姿」に到達するための道筋を描きます。
いつまでに、どのような順番で教育を進めていくのかを、時系列で整理した「育成計画」に落とし込みます。一度の指導で終わらせるのではなく、成長のプロセスを計画として見える化することで、忙しい調達マネジャーも着実に調達部員の進捗を把握できるようになります。
【新人調達部員の育成計画に盛り込む具体的なステップの例】
- 入部1ヶ月目 取適法などの基本ルールの理解と、社内システムの操作習得
- 入部3ヶ月目 定型的な納期交渉の補助と、見積書の精査方法の習得
- 入部半年後 小規模な仕入先との、根拠に基づいた最適な取引条件を引き出す力の実践
- 入部1年後 主要なサプライヤーの窓口として、仕入先との信頼関係を築く力の発揮
このように、ステップ②では「いつまでに、どのレベルを目指すか」という期限と目標を明確にすることが重要です。
単に「経験を積ませる」という曖昧な進め方ではなく、明文化された計画に沿って教育を進めることで、調達部員も目標を持って取り組めるようになります。計画という形にすることで、日々の調達業務に追われがちな状況の中でも、着実に教育を進めていくための指針となります。
ステップ③ 1on1面談と調達部門に特化した研修で、具体的な教育手段を整備する
調達部員との1on1面談を通じて、目標設定や進捗の確認を丁寧に行い、日々の調達業務に沿った伴走支援を始めます。また、必要に応じて調達部門に特化した外部研修を取り入れるなど、スキルを習得させるための具体的な手法を準備することで、計画を機能させていきます。
【1on1面談における振り返りの具体例】
- 入部3ヶ月目の振り返り 仕入先との納期交渉において、どの程度落ち着いて対応できたか、見積書の精査で不明点はなかったかを確認する。
- 入部半年後の振り返り 小規模な仕入先とのやり取りで、実際に最適な取引条件を引き出す力をどう発揮できたか、成功体験と課題を共有する。
- 課題への対策 取適法の解釈に不安がある場合は、関連法規の社内勉強会や専門研修への参加を促し、知識の補完を行う。
- 次期の目標設定 主要仕入先の窓口として、仕入先との信頼関係を築く力を高めるために、次はどのようなアクションが必要かを話し合う。
まとめ
- 調達部門における教育体系とは、日々の調達業務で成果を出すために必要な能力を、いつ、誰が、どうやって身につけるかという仕組みを確立することである。
- 調達部員の教育体系づくり ステップ① 調達チームとして求める能力を洗い出し、目指すべき指標となるスキルマップを明確に定める。
- 調達部員の教育体系づくり ステップ② スキルマップに基づき、成長のステップを時系列で整理した育成計画を明文化する。
- 調達部員の教育体系づくり ステップ③ 1on1面談や調達部門に特化した研修など、計画を確実に実行するための具体的な教育手段を運用する。
まず、調達チームに必要なスキルを書き出し、目指すべき指標を定めることから始めてみませんか?
調達部員一人ひとりが持てる力を存分に発揮し、自信を持って調達業務に取り組めるようになるためには、感覚に頼らない教育の枠組みが必要です。これまでの経験則だけに頼らない共通の尺度であるスキルマップに置き換えることで、調達チーム全体の歩むべき道がはっきりと見えてきます。
まずは、皆さんの調達チームにおいて、どのようなスキルが不可欠なのかを一つひとつ書き出し、目指すべき指標を定めることから始めてみませんか?最初から完璧なものを作ろうとしなくて大丈夫です。目の前の調達部員と向き合い、対話を重ねながら指標を整えていくプロセスそのものが、信頼関係を深める大切な機会になります。
理想の教育体系を形にするまでには時間がかかるかもしれませんが、少しずつ仕組みを整えていくことで、調達部員は着実に成長していきます。調達マネジャーである皆さんが一歩踏み出すことが、調達チームの力を高めていくための確実な一歩となりますよ。
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